タイトル
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ma dieu !? 神様は女のコかもしれない
主催:drop 協賛:そらや IMS |
期間
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2006年4月6日(木)~28(金)12:00~19:30
毎火曜日と4月19日はお休みとなります。 |
会場
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drop 東京都渋谷区神宮前4-24-9 第2麗雲ビル1F-B
http://www.drop-nicedreams.com
tel:03-5771-2731 fax:03-5771-2732
・JR「原宿駅」徒歩9分
・地下鉄「表参道駅」A2出口徒歩7分
・地下鉄「明治神宮前駅」5番出口徒歩6分 |
展示内容 |
絵・コラージュ・写真など約15点
*作品、ポストカード、ポスターなどの販売も行います |
○展示作品&解説のようなもの○
[絵 peintures]
ぼくも風の絵の具で絵を描いてみた~
…ぼくは無宗教ですが神様が気になります。もしかしたら神様は、これはこんな風につくりはじめたのかもって思った時、こんな絵のようなものを描いてみます。
~janvier 2004
…こんなにオトナになったのにお年玉をくれる人がいたり、誕生日があったり、もらうことの多い“1月”は、毎年、何かお返ししようと新たな気持ちで考え始めます。そんな日々に自分と向き合ってみました。
~printemps 2004
…フランスではスイセンが咲いて“春”を感じるそうです。
~五十鈴川 2005
…日本のルーツと祀られる伊勢神宮。森を守り風が集まる清々しい杜、かたじけなさと共に日本のセンスに涙があふれます。この神域に流れる五十鈴川の静謐さは、より神様を感じずにはいられません。名物「赤福」は、この川のさざ波をデザインしてるそうで、ぼくの絵のようなものには赤福食後の甘い波紋も加わりました。
~KYOTO 2005
…パリにいた時、自分をふるいたたせて初めてひとり旅をして、温泉とフォアグラの国ハンガリーへ行ってみました。そこで知り合ったバックパッカーのひとり、京都出身だから“KYOTO”と呼ばれてた彼と、その後も年賀状などで続き、帰国後に京都で再会。ただ眠かった修学旅行や夜がつまんない家族旅行とちがって、わがままなリクエストに京都くんを通じてめぐる古都。ふと夕暮れの鴨川でひとりになって、意外とたくましいせせらぎに包まれた時の思い出を描いてみました。
フジサン fuji-san 2005
…留学して、遅まきながら日本に興味が向きました。帰国して最初の夏、はじめて富士山に登ってみました。5合目から登り始め8合目の山小屋で仮眠をとって真夜中に再出発する時々、友達がいっしょじゃなかったらくじけてるって思ったこと。ひと休みするたび吸うタバコがおいしかったこと。外国人が意外と多くて、ブラジル人のおばちゃんとなかよくなり富士山が世界でいちばん美しい山だと言われ日本人としてちょっと誇らしかったこと。頂上でご来光をあびて透きとおる気がしたこと。そんなエピソードをちりばめて1泊2日の富士登山がジンセイみたいだと思った時、こんな絵みたいなものができました。
ドーナツ beignet 2005
…おかあさんがおかあさんをがんばってた頃、ドーナツをつくってくれました。今度こそって、真ん中に穴のあいてるやつをめざしながら。
レンヌ renne 2005
…最初、1年間のつもりだった留学を「もうちょっと」「もうちょっと」と延ばして4年になろうとした頃「そろそろね」と言った人がいます。学んでるだけじゃなく発表しなさいとも言われ、偶然にも東京から個展の話をいくつかいただきました。そんな時に、パリで和紙に出会いました。ちょっとゴミが混じっていてヨレもあって、本場の和紙に比べたらクオリティは低いけど、より手作りのぬくもりがある。フランス製の和紙、ぼくの立ち位置もここかなって思うと、作品らしいものがどんどん出来てきました。そして約1年後の2003年8月31日に帰国して、10月にフランスでつくったものを中心に、ひとり学芸会のような「冒険は続いてる!」展をさせてもらいました。タイトルは、留学最後の1年に出した答えで、場所ではなくスタイルだと思えた、これからの自分への叱咤激励でもありました。その後も、パリへ行くたび買い込む和紙を使って作品をつくり続けていますが、「レンヌ」は、あの時の最後の和紙でつくったもの。名残を惜しんでいるのか、フランスでは2月になってもクリスマスツリーを見かけることがあります。クリスマス以外、サンタクロースはプレゼント作りに忙しいと聞いたことがありますが、トナカイは何してるんだろ? |
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フレール frère 2005
…ともだちも月日を重ねると家族みたいです。ぼくには、フランスにたぶん年下だけどおとうさんがいたり、日本には血のつながらない家族が全員そろってます。
プチ petit 2006
…ぼくはぼくのスキなひとは死なないと思ってるので、たまに大泣きして懲りるけど、しばらくするとまたそう思う。
[コラージュ collages]
うさぎ空港 l'aéroport de lapin (il s'appele jacques) 2003
…日本でいう成田空港がフランスのシャルルドゴール空港なら、羽田空港にあたるのがパリの南側アントニーにあるオルリー空港です。モノレールに乗り換えて向かうところや、ちょっとレトロな建物で旅情をゆるやかにリードしてくれそうなところも共通点です。ウワサでは、このオルリー空港の滑走路周辺には野生のうさぎが住んでいて、穴を掘ったりするので職員はときどき転んじゃうんだとか。ぼくはチュニジアに行く時ここを利用して、飛行機の窓から彼らを探しましたが目撃できませんでした。でも、ぼくの物語では、飛行機みたいにみんなを乗せて飛びたくて、飛行機を見上げながら手を振ってるうさぎのジャックがいます。
青い船 bateau bleu 1998
…音楽や絵や映画に哲学やお菓子など、何をきっかけにフランスがスキになったのか思い出せないくらい、いっぱいスキになって、旅行するたびふくらむ想いは「いつか住みたい」になっていました。このコラージュはフランス留学が具体的に決まった頃につくりました。それまでに、作詞した歌のCDと1回でも個展ができたらフランスに行こうと自分に課して、ぼくひとりのがんばりだけじゃ実現に至らなかったことを改めて知った頃です。そして、船みたいな夢のように、フランスへ行きました。
[写真 photographies]
…パリ10区、サンマルタン運河のそばにあるラボを借りて、自分で撮ったものを自分で焼き付けてみました。ぼくの視力0.8を共有してもらえたらと思ったり、笑った時の残像みたいな質感をめざしたり、長く長く観てもらえますように願いをこめたりしながら。
教会の庭の光 saint lumière
…パリ17区にあるSte-Marie des Batignolles教会は、映画「聖なる酔っぱらいの伝説」のモデルとなったところ。主演のルトガー・ハウアーみたいな酔っぱらいはいませんでしたが、裏庭の方にはペタンクをしてるおじさんたちがいました。中にひとり、真冬なのにTシャツの元気なおじさんがいて、彼の胸元には大きくPRINTEMPS(春)とプリントされていました。うれしくなってカメラで追いましたが、おじさんは動き過ぎで、代わりに彼の愛犬がカッコつけてくれました。シャッターを切る時、突然、男の子が現れてびっくり。教会の庭の光と、何かを伝えてるような、自分の想いを越えた作品となりました。
印象派の子供 à l'ile des impressionnistes
…パリのサンルイ島やシテ島と同じように、セーヌの中の島としてある「印象派の島」。その名前の由来は、印象派の画家たちがここに通って絵を描いたり川遊びをしたり食事をしたりしたからだそうです。ルノワールの「舟遊びをする人たちの昼食」の舞台となったレストランは今も営業しています。5月のある日、大人たちがテラスで長いお昼ごはんをしてるのをよそに、ひとりの男の子が絵を描いていました。どんな絵を描いてるのか、のぞきたかったけどジャマしちゃいそうで近づくのはここまでにしました。でもきっと、彼の絵も、太陽の光や光を反射して移り変わる水の表情なんかをつかまえてる気がしました。
みんなの歩道 notre promenade
…カルチェラタンにある小さな公園。お昼のサンドイッチをほおばる学生がいたり、すべり台で遊ぶ子供を気にしながら読書するおとうさんがいたり、おしゃべりに夢中なマダムたちや手足をからませる恋人たちもいます。みんなパリのやわらかな陽だまりがスキで、みんなこのみじかい歩道を通ってやってきます。 |